国選定重要文化的景観「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」について
最終更新日:2019年4月1日
国選定重要文化的景観「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」について
天平5年(733)に編纂された『出雲国風土記』の仁多郡の条に、「諸郷より出すところの鐵堅くして、尤も雑の具を造るに堪ふ(各郷から産出する鉄は、堅くて、さまざまな道具を造ることができる最適な素材である)」と本地域で産する鉄の優秀性が記されています。以来、千数百年にわたり営々と砂鉄を採り、炭を焼き、そして“たたら”を吹き続けてきました。
奥出雲の大地を切り崩し、自然の恵みである砂鉄を採取した跡地は、荒廃させることなく豊潤な棚田に姿を変え、奥出雲の特産品である「仁多米」を生み出す広大な農業基盤として復元していきました。また、山林資源は無秩序な伐採をせず、たたら製鉄が永続操業できるよう約30年周期で輪伐しながら保全するなど、たたら製鉄とともに生きた先人たちは、自然と共生し、持続可能な産業を生み出してきました。
こうした、生業の過程で形成された特徴的な景観が評価され、平成26年3月18日に「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」として、中国地方で初めて国の重要文化的景観に選定されました。
奥出雲町横田地域の鉄穴流し跡地に拓かれた棚田のアクセスマップ(PDF/2MB)
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