国土調査・地籍調査とは

最終更新日:2023年4月1日

国土調査・地籍調査とは

 国土調査は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的且つ総合的に調査することを目的として実施されています。
<国土調査法第1条引用>

 地籍調査は、国土調査のなかの1つの調査で、一筆ごとの土地についてその所有者・地番・地目を調査するとともに、境界の確認・測量、面積の測定を行い、現況にあった正確な地図(地籍図)及び台帳(地籍簿)を作成する調査です。

  • 「一筆」 土地の所有権等の公示をするために、人為的に分けた区画のことです。登記所では一筆ごとに登記がなされ、土地取引の単位となっています。
  • 「地籍」 一筆ごとの特徴実態(地番・地目・面積・所有者・権利関係)を記録したもので、人の戸籍にあたるものです。
     地籍調査により作成された地籍図と地籍簿は、土地の境界・面積・形状などを正確に示したもので、個人の土地取引から公的機関による地域の整備・開発まで、およそ土地に関する行為のための基礎データとなるものです。
     地籍簿が登記所に送付されると、登記官の職権により土地登記簿の記載が改められます。また、地籍図は現在使用されている公図に替わり登記所に備え付けられます。
  • 「地籍簿」 土地の所在、地番、地目、地籍・所有者住所・氏名等を記載した簿冊、
  • 「地籍図」 土地の境界及び地番等を記載した地図

地籍調査の必要性

 人には戸籍があるように土地にも地籍がありますが、現在、登記所に備えてある地図の多くは、明治時代の地租改正によって作られた地図(公図)をもとにしたもので、当時の測量に対する考え方や技術の幼稚さなどから、実際の土地に比べて大きさや形が異なるため、地図としての役割を果たさず、土地紛争の原因にもなっています。
 限りある国土の有効活用・保全のためには、土地の実態を正確に把握する、地籍調査を実施する必要があります。

  • 「公図」 登記所に備えられている旧土地台帳付属地図のことで、明治6年に始まった地租改正事業によって作成された絵図を基に、明治19年の地押調査によって更正された図面です。その当時の測量技術からみて正確性を欠くとされるが、現在も登記事務上、貴重な資料として活用されています。

地籍調査の効果

(1)土地取り引きの円滑化

 正確な土地の状況が登記簿に反映され、登記制度の信頼性が向上するとともに、現地と一致する精度の高い地籍図が出来ることにより、土地の取り引き等の確実性が得られます。

(2)座標による境界管理・復元

 土地の境界点が座標で管理されますので、災害等により境界が不明になっても、現地に境界点を復元することが出来ます。復元能力により、将来の住民間や官民界での境界紛争等のトラブル防止につながります。

(3)経営の合理化・課税の公平性

 土地の実態(地目・面積・境界)を知ることで、正確な経営計画・財産管理が出来ます。調査結果は土地登記簿へ反映され、課税・統計において現地確認が簡単になり、公平性が図られます。

(4)測量・登記の費用節約

 地籍調査の費用は事業費全体の50%を国、25%を県から補助を受けて、町が実施主体となり行ないますので、土地所有者の方々の測量の費用はかかりません。
 本来、土地所有者がしなければならない登記簿の記載事項の修正登記(地番・地目・面積等の訂正や分筆・合筆)が調査期間内であれば、無料で行なわれます。

地籍調査の基本方針

 地籍調査の基本方針は修正主義によって行なわれます。新たに地籍を創設するものではなく、原則として既存の地籍を修正するものです。
   ★★★★★ 役場で新しく境界を決めることではありません! ★★★★★
 登記によってすでに決まっている土地の「境界」「所有者」等を確認し、図面・台帳を修正し、正確に作り替えるための調査です。

地籍調査の順序

 地籍調査は次のように進められます。(あくまで一例です。参考程度にお考えください。)

(1)地区説明会の開催

 地籍調査事業をするにあたり、調査地区に関係する土地所有者(相続人)や利害関係人の方々に、調査内容や作業手順を知っていただくため実施します。
 調査地区の公図をもとに、隣接地権者の確認や調査地区の状況の確認も行います。

(2)境界杭(筆界杭)の設置

 土地境界に杭(筆界杭)を打ってもらいます。設置する杭は役場でプラスチック杭を用意いたします。必ず、隣接地権者同士の立会・同意のもと、境界杭(筆界杭)を設置して下さい。
 また、杭と杭との見通しがきくように境界周辺の刈り払いをお願い致します。

(3)地籍図根点設置・測量

 地籍測量の基準となる図根点(杭)の設置・測量を、役場が委託した測量会社の方々が行ないます。個人の土地境界とは関係ありませんが、測量の基準となる重要な杭です。勝手に動かさないよう充分に注意して、永久に保存して下さい。

(4)一筆地調査(現地調査)

 調査員(委託業者)が土地所有者の方々に立会を求め、直接現地で一筆地ごとに所有者・地番・地目を調査し、(2)で設置していただいた境界を確認します。現地調査終了後も設置した杭は破損しないよう、永久に保存をお願い致します
注:境界がはっきりわかる土地でも必ず本人が立会して下さい。不立会は後々の境界紛争につながります。

(5)一筆地測量

 (2)で設置し、(4)で確認した境界杭(筆界杭)を、(3)の図根点などを基にして測量します。測量の性質上、土地に立ち入り、枝打ちや軽微な障害物の除去等が考えられますので、あらかじめご了承願います。

(6)地籍図・地籍簿の作成

 (5)の測量結果を面積測定し、一筆ごとに地番・地目・地積・所有者等を整理して、地籍図・地籍簿を作成します。

(7)成果の閲覧

 (6)で作成した地籍図と地籍簿に誤りがないかを、土地所有者の方々に閲覧(確認)していただきます。閲覧期間は20日間設定されます。
閲覧の結果、誤りがある場合には、閲覧期間中に訂正の申出が出来ます。
  注:必ず閲覧し、地籍簿と地籍図を確認して下さい。閲覧の結果で後日、登記されます。

(8)認証

 閲覧確認していただいた地籍図と地籍簿が適正であることを県知事に認めてもらいます。認証されると土地に関しての正確な資料として公認され、あらゆる方面で利用されます。

(9)登記

 (8)で認証された地籍図と地籍簿の写しが、登記所に送られます。地籍簿により土地登記簿の記載事項が修正され、公図に替わり地籍図が備え付けれます。現地にあった土地の管理がされます。
以上が地籍調査の順序です。土地所有者の方々が直接行なう作業は、(2)境界杭(筆界杭)の設置と、(4)一筆地調査の現地立会と、(7)成果の閲覧です。
これらの調査をおおむね3年から4年かけて実施いたしますので、登記簿が修正され実際に反映されるのは、早くても4年目となります。

一筆地調査について

調査日程・通知

 委託業者が公図・登記簿及び現地の状況等を参考に、一日の調査可能範囲を決め、立会日の5日前位には通知をします。
 通知は土地所有者(登記名義人)、登記名義人が死亡している場合には相続人全員、利害関係人及び関係機関の方々に郵送いたします。雨天等により調査日程の調整上、電話連絡になる場合もあります。
図面と現地が著しく相違する場合や登記の誤りがある場合等で、通知をもらしたり、誤ったりすることもあります。不明な点は、委託業者又は農林土木課地籍調査担当に連絡して、確かめて下さい。
相続人が多数いる場合には、あらかじめ相続人代表となる方を決めることが出来ます、代表となる方は相続人代表届と相続人全員からの委任状を提出していただきます。提出後の連絡先は相続人代表の方のみとなります。
 決められた調査日には必ず立会をして下さい。どうしても都合が悪い方は、代理人に委任状を持参させ、立会させて下さい。代理人は出来るだけ土地に精通のある方をお願い致します。

現地調査

   一筆地調査は公図と登記簿と現地を照合しながら進めていきます。

1.土地の所在・地番・地目・所有者の確認

 登記されているが土地が現地で確認できるか、地番・地目・所有者に誤りがないか確認を行ないます。

2.境界(筆界)の確認

 事前に設置してもらっている杭、立会日に話し合いで決定した境界杭の確認を行ないます。
 原野や山林については杭と杭が見えるように刈り払い(巾1m程度)をお願い致します。
 所有者同士で立会・同意して設置した杭は、無断で抜いたり移動したりしないで下さい。
  ★★★★★地籍調査員が土地境界を決めるものではありません ★★★★★

3.現地で土地を確認できない場合「現地確認不能」

  • 土地所有者、相続人及び利害関係人が、調査期間中に登記簿上の土地を現地において確認できなかった場合は「現地確認不能」として処理します。登記簿上は調査後においてもそのままです。
  • 道路敷地内、河川敷地内の土地については、筆界等の確認が非常に困難なため、民有地であっても調査しなくてもよい場合があります。
    登記簿には「現地確認不能(現況-斐伊川)」や「現地確認不能(現況-国道314号)」等と記載されます。

4.境界が決まらない場合「筆界未定」

 以前から境界紛争があったり、調査期間中に発生した場合も、今回の地籍調査期間中に境界が決まらない場合や、隣接地権者の不立会により境界の確認が出来ない場合は「筆界未定」として処理します。
登記簿上は調査前と変わらない状態ですが、調査後の登記手続きについて不便が生じる可能性があります。

5.地籍調査で修正できる事項

 地籍調査では登記されている土地の実態と現況が異なる事項を正しく修正することが出来ます。
 地籍調査は土地に関する全ての事を処理・修正できると思われがちですが、相続登記等権利に関する事項については一切出来ません。 

(1) 分筆   1筆の土地で地目が異なる場合に2筆以上に分割する。
(2) 合筆   地目・所有者が同じ2筆以上の土地を1筆に合併する。
     (抵当権・地上権・その他の権利が設定されていると、分合筆できない場合があります。)
(3) 地番の訂正   同じ地番がある場合や、10-イなどカタカナ地番を数字に直す。
(4) 地目の訂正   登記簿と現地の地目が異なる場合
         (転作の場合は違います)
(5) 面積の訂正   測量の結果、面積が異なる場合
     (昔と今とでは測量技術の精度が大きく異なり、面積変動することがあります。)
(6) 氏名の訂正   氏名に誤りがある場合
         (森田 一郎 ⇒ 盛田 一朗 などの場合)
(7) 住所の訂正   住所が異なる場合
         (土地取得時と現在の住所が異なる場合)

  ★★★ 誤っている部分を訂正するもので変更するものではありません! ★★★

筆界未定の問題点

 筆界未定とは境界紛争や不立会などにより隣接土地所有者との境界が確認できない場合や、測定の結果、面積の減少により承諾できない場合などの処理を言います。

筆界未定になった場合の問題点

  1. 登記簿の記載は、従来のままで、図面は次のようになります。(今回の調査では筆界未定地の外周のみの調査となり、筆ごとの形や面積は明らかにできません。)
  2. 分筆及び合筆、地目変更が出来なくなります。
  3. 筆界未定の土地に抵当権の権利の設定する場合は、利害関係人の承認が必要となります。
  4. 宅地であれば、家を建てる時の建築確認が出来なかったり、住宅金融公庫などからの融資を受けられない場合があります。
  5. 調査終了後に境界が決まった場合、測量と登記の費用は所有者個人で負担することになります。
  6. 年数が経過すると、相続等で土地の権利者が多くなり、全員の同意を得るために苦労する場合があります。
12
宅地
Aさん
36

Bさん
 72
山林
Aさん

12 + 36 + 72
 
調査前   調査後

筆界未定の土地の筆界未定解除申請

 調査終了後に境界が決定した場合、法務局への筆界未定解除申請手続きは土地所有者の方が行うことになります。申請に必要な測量、地積測量図等の作成、登記費用は全て土地所有者の負担となります。

成果の閲覧

 全ての調査・測量が終了すると、登記所へ送付する「地籍図」と「地籍簿」を作成します。作成した地籍図・地籍簿に誤りがないか土地所有者の方々に確認していただきます。
 期間は20日間で、原則的にこの期間中に誤り等の修正申出をすることが出来ます。
 閲覧時に充分に確認しないため、後々に境界紛争や自費での修正登記をするケースがあります。結線に誤りはないか、位置・形はおかしくないか、地番や地目が訂正されているか等をよく確認して下さい。

その他

地籍調査地区内の土地取引及び住所移転等について

 地籍調査を実施中の地区内で、土地取引や住所移転などで連絡先が変更となる場合には、一筆地調査期間は委託業者へ、一筆地調査期間終了後は税務課地籍調査担当までご連絡下さいますようお願い致します。

作業は十分注意して行なって下さい

 特に山林での境界の刈り払い等で、鎌や鉈、草刈機などを使用する場合には、怪我のないよう充分に注意して作業を行なって下さい。
 一筆地調査が暑い時期に行なわれますので、充分な水分補給を行い、熱中症対策をお願い致します。

データの利用

 地籍調査が終了して、登記されている地区の座標データを税務課(横田庁舎)または町民課(仁多庁舎)で保管・管理しております。
 調査後の分合筆や建物登記等の測量で利用できますので、上記担当職員までご連絡下さい。
 

最後にこの調査は皆さんのご協力がなくてはできません

 地籍調査は皆さんの土地についての大事な調査ですから、皆さんのご協力なくしては、正しい調査ができません。調査が速やかに行われますようご協力をお願いいたします。これから調査のために、町の職員や町からの委託業者が皆さんの土地に立ち入ることになりますので、よろしくお願いいたします。
また、ご不明な点がありましたら税務課地籍調査担当までお問い合わせください。

 お問合せ

  横田庁舎 税務課  電話:0854-52-2671

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