○町立奥出雲病院診療録及び診療諸記録の電子保存に関する運用管理規程
平成17年3月31日
公営企業管理規程第13号
(目的)
第1条 この規程は、町立奥出雲病院(以下「病院」という。)において、法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録(以下「保存義務のある情報」という。)の電子媒体による保存のために使用される機器、ソフトウェア及び運用に必要な仕組み全般(以下「電子保存システム」という。)について、その取扱い及び管理に関する事項を定め、病院において、保存義務のある情報を適正に保存するとともに、適正に利用することに資することを目的とする。
(電子保存に関する理念)
第2条 電子保存システムの管理者及び電子保存システムを利用する職員(以下「利用者」という。)は、保存義務のある情報の電子媒体による保存が、自己責任の原則に基づいて行われることをよく理解しておかなければならない。
2 電子保存システムの管理者及び利用者は、電子媒体に保存された保存義務のある情報の真正性、見読性、保存性を確保し、かつ、情報が患者の診療や病院の管理運営上必要とされるときに、信頼性のある情報を迅速に提供できるよう、協力して環境を整え、適正な運営に努めなければならない。
3 電子保存システムの管理者及び利用者は、診療や病院の管理運営を目的としない二次的な診療情報の利用についても、患者の個人的秘密が侵害されることのないように注意しなければならない。
(電子保存する情報の範囲)
第3条 病院において、保存義務のある情報を電子保存する際に対象とする情報の範囲については、次に規定する電子保存システム管理委員会の審議を経て、院長がこれを定める。
(管理組織)
第4条 病院に電子保存システム管理者(以下「システム管理者」という。)を置き、院長をもってこれに充てる。
2 電子保存システムを円滑に運用するため、電子保存システムに関する運用、監査について、それぞれを担当する運用責任者及び監査責任者を置く。
3 各責任者の職務については本規程に定めるもののほか、別に定める。
4 運用責任者及び監査責任者は、院長が指名する。
5 電子保存システムに関する取扱い及び管理に関し必要な事項を審議するため、院長のもとに電子保存システム管理委員会(以下「システム管理委員会」という。)を置く。
6 委員会の運営については、別に定める。
(システム管理者の責務)
第5条 システム管理者は、以下の責務を負う。
(1) 電子保存に用いる機器及びソフトウェアを導入するに当たって、システムの機能を確認し、これらの機能が「法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に関するガイドライン」に示される各項目に適合するよう留意すること。
(2) システムの機能要件に挙げられている機能が支障なく運用される環境を整備すること。
(3) 保存義務のある情報として電子保存された情報(以下「電子保存された情報」という。)の安全性を確保し、常に利用可能な状態に置くこと。
(4) 機器やソフトウェアに変更があった場合においても、電子保存された情報が継続的に使用できるよう維持すること。
(5) 利用者の登録を管理し、その電子保存システムの情報の参照や入力(以下「アクセス」という。)権限を規定し、不正な利用を防止すること。
(6) 電子保存システムを正しく利用させるため、利用者の教育と訓練を行うこと。
(7) 患者又は利用者からの、電子保存システムについての苦情を受け付ける窓口を設けること。
(利用者の責務)
第6条 利用者は以下の責務を負う。
(1) 自身の認証番号やパスワードを管理し、これを他者に利用させないこと。
(2) 電子保存システムのアクセスに際して、認証番号やパスワード等によって、システムに利用者自身を認識させること。
(3) 電子保存システムへの情報入力に際して、入力情報が正しい事を確認する操作(以下「確定操作」という。)を行って、入力情報に対する責任を明示すること。
(4) 与えられたアクセス権限を超えた操作を行わないこと。
(5) 参照した情報を目的以外に利用しないこと。
(6) 患者の個人的秘密を侵害しないこと。
(7) システムの異常及び不正アクセスを発見した場合、速やかに運用責任者に連絡し、その指示に従うこと。
(システムの機能要件)
第7条 電子保存システムには、次の機能を備えるものとする。
(1) 情報にアクセスしようとする者の識別と認証
(2) 情報の機密度に応じた利用者のアクセス権限の設定と不正なアクセスを排除する機能
(3) 利用者が入力した情報について確定操作を行うことができる機能
(4) 利用者が確定操作を行った情報を正確に保存する機能
(5) 利用者が確定操作を行った情報の記録及びその更新に際し、その日時並びに実施者をこれらの情報に関連付けて記録する機能
(6) 管理上又は診療上の必要がある場合、記録されている情報を速やかに出力する機能
(7) 複数の機器や媒体に記録されている情報の所在を一元的に管理できる機能
(8) 情報の利用範囲、更新履歴、機密度等に応じた管理区分を設定できる機能
(9) 利用者が情報にアクセスした記録を保存し、これを追跡調査できる機能
(10) 非常時に備え、記録された情報の複製を作成する機能
(機器の管理)
第8条 電子保存システムの記録媒体を含む主要機器は、独立した電算機室に設置する。
2 電算機室の出入口は、常時施錠し、運用管理者がその入退出を管理する。
3 電算機室には消火装置、漏電防止装置、無停電電源装置等を備える。
4 設置機器は、定期的に点検を行う。
(記録媒体の管理)
第9条 記録媒体は、記録された情報が保護されるよう別の媒体にも補助的に記録する。
2 品質の劣化が予想される記録媒体は、あらかじめ別の媒体に複写する。
(ソフトウェアの管理)
第10条 運用責任者は、電子保存システムで使用されるソフトウェアを、使用の前に審査を行い、情報の安全性に支障がないことを確認する。
2 運用責任者は、ネットワークや可搬型媒体によって情報を受け取る機器について、必要に応じてこれを限定する。
3 運用責任者は、定期的にソフトウェアの感染の有無の点検を行い、感染の防止に努める。
(ネットワークの管理)
第11条 運用責任者は、定期的に利用履歴やネットワーク負荷等を検査し、通信環境の効率的な運用を維持するとともに、不正に利用された形跡がないかを確認する。
2 運用責任者は、ネットワークの不正な利用を発見した場合には、直ちにその原因を追及し対策を講じなければならない。
(事故対策)
第12条 システム管理者は、緊急時及び災害時の連絡、復旧体制並びに回復手順を定め、非常時においても参照できるような媒体に保存し保管する。
(マニュアルの整備)
第13条 システム管理者は、電子保存システムの取扱いについてマニュアルを整備し、利用者に周知の上、常に利用可能な状態にしておく。
(教育と訓練)
第14条 システム管理者は、電子保存システムの利用者に対し、定期的に電子保存システムの取扱い及び個人情報の秘密保持に関する研修を行う。
(監査)
第15条 システム管理者は、監査責任者に毎年2回、電子保存システムの監査を実施させ、監査結果の報告を受け、問題点の指摘等がある場合には、直ちに必要な措置を講じなければならない。
2 監査の内容については、システム管理委員会の審議を経て、院長がこれを定める。
3 システム管理者は、必要な場合、臨時の監査を監査責任者に命ずることができる。
(その他)
第16条 この規程の実施に関し必要な事項がある場合については、システム管理委員会の審議を経て、院長がこれを定める。
附則
この規程は、平成17年3月31日から施行する。
附則(平成17年企管規程第14号)
この規程は、平成17年10月1日から施行する。