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シンポジウム&たたら体験「奥出雲の神話とたたらを考える」を開催しました

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 奥出雲において千年以上の永きにわたり受け継がれてきた「神話とたたら」という大切な文化遺産を、観光などを始めとして今に活かし、そして、価値を高めながら次の世代に継承していくため、3月18日(土)、19日(日)の2日間にかけて、「奥出雲の神話とたたらを考える」と題し、シンポジウム及びたたら体験操業を開催しました。

この機会に際し、東京や鹿児島など遠方からも多数の方がお出かけくださり、18日のシンポジウムは約180名、19日のたたら体験操業は約100名の、延べ280名の方にご参加いただき、盛会となりました。

 

■3月18日(土)シンポジウム

●14:00~15:00 基調講演

●講師 里中 満智子 氏 《マンガ家・日本遺産選定委員》

 日本を代表する漫画家であり日本遺産選定委員でもある里中先生に、ご講演をいただきました。日本神話とギリシャ神話の類似性や、神話にはその国で暮らす当時の人々の考え方が反映されていること、国譲り神話において出雲は大和に領地を譲るものの、一方では「古事記」において「たたら」と縁が深い出雲のヒメタタライスズヒメが神武天皇の皇后となるなど、出雲と大和は深い縁で結ばれているなどのお話しがありました。

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●15:10~16:30 パネルディスカッション

●パネリスト    里中 満智子 氏 《マンガ家・日本遺産選定委員》

         丁野 朗 氏 《日本観光振興協会特別研究員・日本遺産選定委員》

         下村 彰男 氏 《東京大学大学院教授・日本遺産選定委員》

         高尾 昭浩 氏 《奥出雲町教育委員会社会教育課長》

 コーディネータ  引野 道生 氏 《山陰中央新報雲南支局長》

 

 後半は、里中先生と同じく日本遺産選定委員である丁野先生と下村先生を交え、山陰中央新報の引野雲南支局長をコーディネータにパネルディスカッションがおこなわれました。日本遺産選定委員は、全体で6名ですので、半数にあたる3名がこのシンポジウムのために奥出雲にお集まりになるという、とても豪華なメンバーでのパネルディスカッションとなりました。

 まず、丁野先生より観光の視点から、下村先生より文化的景観の視点から話題提供があり、その後、引野コーディネータにより、神話とたたらの「価値」「どのように今に活かすか」「どのように未来に繋ぐか」という3つの論点に絞った問いかけがなされ、活発な議論が行われました。

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■3月19日(日)たたら体験操業

●指導者   木原 明 氏 《日刀保たたら村下・国選定保存技術保持者》

       三浦 靖広 氏 《村下養成員》

       佐藤 秀行 氏 《村下養成員》

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●8:30~15:30 操業

 朝8時半に、炉に最初の砂鉄を入れる「初種神事」が行われ、操業が開始されました。その後は、参加者の皆さんに、砂鉄や木炭を交互に入れる作業や、ふいごにより炉に空気を送る作業を体験いただきました。

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炉に砂鉄を入れる。炉の中に均一に入れなければならず、技術が求められる作業。

 

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砂鉄を入れた後、木炭を入れる。この作業を交互に行っていく。

 

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ふいごで炉に空気を送る。

 

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しばらく操業を続けると、「ノロ」と呼ばれる不純物が炉の下部より流れ出る。

 

●15:30~16:00 鉧(ケラ)出し

 7時間にわたる操業の後、「鉧出し」と呼ばれる、たたら製鉄によって生成された鉄の塊である「鉧」を取り出す作業が行われました。参加者の皆さんの手によって炉が壊されていくにつれ、真っ赤に燃える鉧が姿を現します。

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粘土製の炉を徐々に崩してゆく

 

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真っ赤に燃える「鉧」が姿を現す。

 

 

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炉を取り除かれた後の「鉧」。この後、水の中に入れ冷やされる。

 

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お世話になった木原村下と、鉧を囲んでの記念撮影。今回は約25kgの鉧が採れました。

 

今回の2日間にわたる催しに、ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございます。

私たちは、「神話とたたら」という文化遺産を、今住んでいる皆さんにとっても、未来の皆さんにとっても価値あるものとするため、引き続き取り組んでまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 

-講師・指導者のご紹介-

●基調講演講師

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里中 満智子 氏 《マンガ家・日本遺産選定委員》

1948年大阪市生まれ。1964年(高校2年生)「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞。代表作に「あした輝く」「アリエスの乙女たち」「海のオーロラ」「あすなろ坂」「狩人の星座」など。2006年に全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞、2010年文化庁長官表彰、2013年度「マンガ古典文学古事記」古事記出版大賞太安万侶賞、2014年外務大臣表彰など数々の賞を受賞。歴史を扱った作品も多く持統天皇を主人公とした「天上の虹」は2015年3月に32年かけて完結した。

公社)日本漫画家協会常務理事/一社)マンガジャパン代表/ NPOアジアマンガサミット運営本部代表/デジタルマンガ協会会長/大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長/外務省国際漫画賞審査委員長/文化庁文化審議会著作権分科会委員/文化庁古墳壁画の保存活用に関する検討委員/文化庁日本遺産審査委員会委員/国土交通省社会資本整備審議歴史的風土部会委員/手塚治虫文化賞審査委員/NHK放送文化研究会委員/公社)古都飛鳥保存財団理事/公財)画像情報教育振興協会理事/豊島区国際アート・カルチャー都市懇話会委員他

 

●パネリスト

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丁野 朗 氏 《日本観光振興協会特別研究員・日本遺産選定委員》

1950年高知県生まれ。1973年同志社大学卒業後、マーケティング及び環境政策のシンクタンクを経て、1989年(財)余暇開発センター入所。2002年に(財)社会経済生産性本部に移籍。「ハッピーマンデー(祝日の月曜日指定)制度」の創設やサマータイム制度、バカンス制度などの提唱と実現化に係る事業推進などに携わる。2007年に観光地域経営フォーラム(事務局・日本生産性本部)を創設、2008年に(社)日本観光協会(現:(公社)日本観光振興協会)に移籍。現在に至る。

日本商工会議所観光専門委員会学識委員/関東運輸局観光アドバイザリー会議座長/東京商工会議所地域魅力づくり委員会委員長/文化庁日本遺産選定委員/東洋大学大学院客員教授/多摩大学大学院客員教授/法政大学キャリアデザイン学部兼任講師他 

 

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下村 彰男 氏 《東京大学大学院教授・日本遺産選定委員》

1955年兵庫県生まれ。東京大学農学部林学科卒。(株)ラック計画研究所を経て、現在、東京大学大学院農学生命科学研究科教授(森林風致計画学研究室)。専門は、造園学、風景計画学、観光・地域計画論。文化的景観、エコツーリズム、地域資源の持続的なマネジメント方策などについて研究。共著に『森林風景計画学』『都市美』『人と森の環境学』『ランドスケープのしごと』など。

文化庁日本遺産審査委員会委員、環境省中央環境審議会・自然公園小委員会委員、観光庁観光地域ブランド確立支援事業等検討委員会委員、東京都公園審議会委員他

 

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高尾 昭浩 氏 《奥出雲町教育委員会社会教育課長》

奥出雲町生まれ。横田町役場に入庁後(2005年の市町村合併後は奥出雲町役場)、教育委員会で文化財行政に長く携わる。地域を愛してやまず、特に「たたら製鉄」に興味関心を持ち、新たな価値の発見や地域づくりに取り組む。自身も鉄穴流し跡地の棚田を耕している。

 

●コーディネータ

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引野 道生 氏 《山陰中央新報雲南支局長》

1959年、松江市生まれ。松江北高、岡山大学法文学部史学科地理学専攻を卒業。1982年に山陰中央新報社に入社。本社報道部、学芸部、東京支社などをへて、自ら志願し2005年4月から2009年3月まで大田支局長。石見銀山遺跡の取材に、島根県や大田市などが世界遺産登録を目指した1996年から一貫して従事。2007年6月、ニュージーランド・クライストチャーチで開催され、石見銀山遺跡の逆転登録が決まった国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会を現地で取材、報道した。

2015年1月から2016年2月まで毎週月曜日付けで、連載企画「鉄のまほろば」を掲載。2015年4月から、山陰中央新報社雲南支局長。

 

●たたら体験操業指導者

木原村下180.jpg木原 明 氏 《日刀保たたら村下・国選定保存技術保持者》

1935年山口県生まれ。宇部工業高校採鉱治金過程卒業後、日立製作所(現日立金属)安来工場に入社し冶金研究所にて砂鉄精錬研究を始める。1956年同社鳥上分工場に転属後、たたらを近代化した角型溶鉱炉により、砂鉄と木炭を使用した木炭銑鉄の製造に従事した。1977年日刀保たたら復活時に安部由蔵村下に師事。1986年国選定保存技術保持者玉鋼製造(たたら吹き)の選定を受ける。2006年旭日双光章受章

日立金属(株)安来工場 たたら顧問(鳥上木炭銑工場 顧問)/(公財)日本美術刀剣保存協会 日刀保たたら 村下職/国選定保存技術保持者・玉鋼製造(たたら吹き)文部科学大臣認定/愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センター客員教授/島根大学嘱託講師/NPO法人ものづくり教育たたら(東京)顧問/和鋼博物館名誉顧問/奥出雲たたらと刀剣館名誉館長/奥出雲町文化財専門委員/奥出雲町名誉町民他

  

【本件に関するお問合せ】

 奥出雲町教育委員会社会教育課

      ◆メール shakaikyouiku@town.okuizumo.shimane.jp 

      ◆FAX 0854-52-3048

      ◆電話 0854-52-2680

 

◇関連情報

 重要文化的景観「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」について

 奥出雲町のたたら製鉄継承の取り組みについて

 奥出雲町の遺産認定制度について